今朝のニュースで、公正取引委員会がマンション大規模修繕工事を巡る談合について、施工会社や設計コンサルタント約40社に対し、独占禁止法違反を認定し、排除措置命令および課徴金納付命令を出す方針であることが報じられました。
報道によると、施工会社同士が事前に受注者や工事価格を調整していたほか、一部の設計コンサルタントも受注調整に関与していたとされています。マンションの大規模修繕工事は、住民が長年積み立ててきた修繕積立金を原資として行われるものです。本来であれば、公正な競争の中で適正な価格と品質が確保されなければなりません。
また最近では、北海道新幹線工事や八千代市役所新庁舎整備事業など、談合に関する報道が続いています。
かつて業界では談合が当たり前のように行われていた時代がありました。しかし、独占禁止法の厳格化やコンプライアンス意識の向上により、一度は業界全体で根絶に向かっているように見えました。
それにもかかわらず、なぜ談合はなくならないのでしょうか?
私は、その一因として過度な受注競争があると考えています。
建設工事は一品生産であり、工事ごとに条件が異なります。また、近年は資材価格の高騰や労務費の上昇、人手不足による施工体制確保の難しさなど、企業経営を取り巻く環境も厳しくなっています。さらに、建設投資額は高い水準で推移している一方で、建築工事着工床面積は長期的に減少傾向にあります。人口減少が進む中、今後は新築需要の大幅な増加も期待しにくい状況です。
そのような環境の中で、「売上を確保したい」「適正な利益を確保したい」という考えが生まれることは理解できます。しかし、それらの事情があったとしても、談合を正当化する理由にはなりません。
談合が行われるたびに、建設業界全体のイメージは悪くなります。多くの建設会社や技術者は真面目に仕事に取り組んでいるにもかかわらず、一部企業の不正行為によって業界全体の信頼が損なわれてしまいます。
現在の建設業界は深刻な人材不足という課題を抱えています。若い世代に建設業の魅力を伝え、人材を確保していくためにも、社会から信頼される業界であり続けなければなりません。
これからは単に仕事量を追い求める時代ではなく、自社の強みを活かしながら適切な案件を選ぶ「選別受注」が重要になると考えています。
利益を確保するために談合に頼るのではなく、技術力や品質、提案力、生産性向上によってお客様から選ばれる企業を目指すべきです。そして適正な利益を確保し、その利益を人材育成や働き方改革、技術力向上に再投資していく。その積み重ねが企業の成長につながり、業界全体の発展につながるのではないでしょうか。
健全な建設業界を実現するためには、公正な競争と適正な利益の両立が欠かせません。
談合によって仕事を確保する時代ではありません。
お客様から信頼される企業が選ばれる業界へ。

